進学校の「中1英語」は要注意

中高一貫の進学校に通う中1のお母様から以下のようなメールをいただきました。

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「私立中学校1年生の息子を持つ母親です。息子は中学受験にチャレンジし懸命に努力した結果、難関校とされるある中高一貫の進学校(男子校)に今春入学することができました。しかし息子は夏休みに入る前に学校の英語授業から落ちこぼれてしまいました。

1学期最後の担任との面談で、授業のスピードが余りにも速すぎること、単語も覚える量が多すぎるのではないかと質問しました。すると担任は「男の子はこのやり方の方が伸びます。実際、このやり方だからこそ学校の成績も全国でトップクラスなのです。」と取りあってくれませんでした。

実績があると先生は強調されましたが、中高一貫校用の教科書、中学卒業レベルの単語集、「発展編」と書いてある問題集、毎回のように配られる暗記プリント・・このような教材に囲まれて息子はとてもついて行けておりません。もちろんコツコツと英文や単語を覚えることが嫌いだという本人の性格もあり、学校の教え方だけが原因というわけではありませが、私が一番心配するのは理解できないまま授業が進んでしまって、英語に苦手意識を持ち、英語の勉強を避けるようになることです。

最初からついていけなかったので一学期の成績が極端に悪く、その成績を見て危機感を持った息子はそれなりに頑張ってテストの勉強をするのですが結果が出ません。見ていてかわいそうになることもあります。息子はだんだんとやる気を失いつつあります。中学1年の12月に英語に対してやる気を失い諦めてしまう、というのは、親としては愕然とするものがあります。家族一丸となってあんなに頑張って合格した念願の中学校でこんなに早く英語に落ちこぼれてしまうとは誤算としか言いようがありません。どうすれば良かったのでしょうか・・・?」

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中学受験で勝ち抜いて合格した私立名門中学校。しかし待っていたのは地獄のような英語の授業。ものすごい量の英単語。とんでもないスピードで進む授業。暗記しなければならない知識の量が半端じゃない・・。

これが現実です。

公立中学校の場合、それなりに努力すれば英語のテストの点数は上がります。しかし中高一貫の私立中学校や国立大附属中学校は、進学校としての名声が高ければ高いほど、その学校の偏差値が上であれば上であるほど英語の授業は大変な努力を要するものとなっています。

ミラクルメソッド英単語1200の著者Tomokoさん(現役で東大合格)の中学校も中高一貫の名門私立中学校でした。彼女が中学1年のゴールデンウイーク明け(5月6、7日あたり)に受けた単語テストの単語数は250語近くありました。そのうちの基礎単語部分(122語)を第5章に載せています。

さすがに「ゴールデンウイーク明けまでに覚える英単語」と書くと引いてしまうお子様が多いと思いテキストでは「中学1年の夏休み終了までに征服する単語」としました。

どんな単語かといえば下記の単語です。(分かりやすくお見せするためフルカラーのテキストではなくワークブックの方を掲載しました。)下の2ページに加え、さらに2ページあります。

ワークブックから抜粋

メールをくださったお母様の質問「どうすれば良かったのでしょうか・・・?」にお答えするとしたら、中学受験をすると決めた時に「合格後から中学入学までの単語暗記のスケジュール」も同時に考えておく必要があったのかもしれません、という返答になるかと思います。

合格が決まったら、まずアルファベット小文字を覚え、英単語暗記に進みます。学校によっては春休みの宿題として文字を覚えるためのペンマンシップと簡単な単語や英文の載った小冊子をくださるところも多いかと思います。この小冊子はただ「やる」だけではなく、全ての例文や単語は暗記できている必要があります。さらに、ある程度英語の読み書きができるようになって(できれば第5章にある基本英単語は書けるようになって)中学に入学した方が安全です。

Tomokoさんは「発音とつづり字のルール」を使って英単語を大量に覚える「コツ」を中学に入学する前に身につけていたので、単語暗記で困ることはありませんでした。これは知っておられるお母様も多いかと思いますが「フォニックス」と呼ばれる方法です。

ミラクルメソッド 英単語1200は、「フォニックス」を日本の学校英語に役立つように編纂(へんさん)した教本です。単語のつづり字を分解し類似性に着目することで、つづり字の暗記を助ける効果的な技術として提示してあります。一つ例をお見せしましょう。

ui を「イ」と読むことを知っていれば、ギター guitar のつづり字が簡単に覚えられます。また、キルト布はquilt (キルト)と簡単に暗記できます。

・さらに、左半分のbuildとbuildingの単語では「build」部分が共通です。右半分のguilt、guilty、 quiltの3つの単語では「uilt」部分が共通です。

共通部分黄色に塗ってあり、分かりやすく示してあります。こうやって単語のつづり字を分解し一気にたくさん覚えられるように、覚え方を提示しています。

結果的にTomokoさんはその「技」を使って、英語の授業に落ちこぼれることなく、むしろ英語を得意科目にすることができました。

中学入試の合格は決してハッピーエンドではありません。「英語」という「試練」の始まりだと考えた方がよいかもしれません。その試練には、賢く対応する必要があります。そもそも英語の勉強はお子様の人生にとってプラスになるわけだから、先取り学習など、英語を積極的に取り組んでも絶対にマイナスになることはないのです。(一つだけ気をつけるとしたら、あまりにも親御さまが英語教育に熱心になりすぎて、お子様に英語学習を強制し、お子様を英語嫌いにしてしまうことです。)

中学入試が終わったら、すぐにアルファベット文字を覚え、読み書きの学習をスタートさせることが得策です。そしてできれば中学校入学前に英単語暗記の「コツ」をつかんでおくことが賢明です。

せっかくの合格です。お子様には念願の中学校に入ってからも学業において落ちこぼれることなく充実した学校生活を送って欲しいものです。そのためには・・そう、「中1英語」に注意が必要なのです。