英語の苦手な中学生が高校受験で気づいた「英単語が読めない」落とし穴

「英語が何とかならないでしょうか・・」と公立中学3年生のお母様が来られたのは春も終わりの頃でした。息子さんは来春高校受験を控えており、お母様は必死の形相でした。どうしても市内の公立高校の中堅校に合格したいとのこと。その日から中学校で習った英文法を中学1年生から復習しながら、秋にはようやく過去問にある長文読解問題に取り組めるまでにこぎつけました。

公立中学校から公立高校への受験なので、入試問題は基礎学力を問う素直な良問で、私立高校や名門進学校のような「奇を衒(てら)す」ような問題はありません。長文問題では、教科書に出ていない単語は必ず問題の末尾に日本語の意味が載せてあるほど、「義務教育」で培った英語学力を判定するための問題になっています。ところが、この生徒さんの場合、問題文にある文法も英単語もクリアしているはずなのに長文問題がさっぱり解けません。

これは不思議なことだと思いました。
学校で習って暗記しているはずの英単語(学校の定期テストではつづり字まで完答してクリアしてきた英単語)が長文問題の中に出てきたら読み取れない(「認識」できない)のです。

なぜ一度覚えたはずの英単語が初めて読む英文に出ていたら読み取れないのか?

これは、英語が苦手な高校生にも広く見られる現象です。キクタン、ユメタン、英単語ターゲットなど様々な英単語教材を使ってせっかく英単語を覚えても、長文問題に同じ英単語があった場合、それが自分の覚えた英単語だと気がつかず、知らない単語だと思ってしまうのです。

理由は2つ考えられます。
一つは、ローマ字読みでつづり字だけを覚えていて「音声」としては記憶していない点が考えられます。「音」で覚えていない英単語は脳内で言語として認識されません。日本語でも英語でも言えることなのですが、文字は脳内で「音」として認識されて、はじめてその言葉の持つ「意味」が脳で把握されるのです。

日本語の「犬」を例に取りましょう。「犬」は目を通して視覚情報として脳内に送られ、脳内で「文字の分析」が行われます。そしてそれが「いぬ」という発音だと認識されてその文字が犬を意味していることが分かるのです。だから、英単語も「正しい」発音で暗記する必要があります。

トップページにも書いていますが、正しい発音で暗記する方が、英単語の暗記もはるかに楽です。音とつづり字が結び付けば、一度にたくさんの英単語を身に付けることも可能です。

英単語のつづり字を見て正しく「音読」できない!?

もう一つの理由は、英単語のつづり字を見て正しく「音読」できないことが考えられます。長文問題に出てきた単語のつづり字を、しっかりと読まずに、出だしのつづり字だけを見て自分の知っている類似のつづり字の単語に置き換えて読んでしまうのです。

この中学3年生の場合、まさにここに問題がありました。

例えば最近この生徒は中学校でexperience(イクスペアリエンス、経験)という単語を習いました。塾で取り組んだ公立高校の入学試験に expectation(イクスペクテイション、期待)という単語が出ていました。もちろん問題文の最後には「expectation:期待」と単語の意味も与えられているのですが、この生徒は初めて目にするexpectation(期待)という単語をexperience(経験)という単語と勘違いしてしまい、長文の最後に与えられている新出単語をチェックしようという発想すら頭に浮かびませんでした。結局、何度も出てくるexpectationという単語の意味を「経験」という意味だと勘違いして読み進んだ結果、文脈を完全に見失い、全く意味不明の話となってしまったわけです。もちろん問題の解答は長文の内容が分からないので当てずっぽうの答えとなり悲惨な点数になりました。

つづり字の「読み方」は誰も教えてくれない = 自分で学習するしかない!

英文法などは塾でも家庭教師でも中学1年生の範囲からていねいに教わることも可能でしょう。しかしつづり字を正しく読む訓練は塾ではやってくれません。自分で勉強するしか方法は無いのです。

英単語のつづり字が正しく読めないから長文問題の点数を失っていることが分かったこの中学3年生は、現在【ミラクルメソッド英単語1200】を使って、急ピッチで「発音とつづり字」のルールを勉強中です。英単語を着実に読めるようになりながら、同時に新しい英単語がたくさん暗記できるということでこの教材に出会えて良かった、と言っています。

将来の「英語嫌い」「英語苦手」を防ぐために

実は、英単語は初めて学習する時から「発音とつづり字」のルールを使って身につけていくことが将来の「英語嫌い」「英語苦手」を防ぐことにつながります。そういう意味で、【ミラクルメソッド英単語1200】の学習のスタートは小学生からが最適です。できれば中学1年生の夏休みまでに最後まで終えておけば、その後の英語学習に大いに役に立つでしょう。

中学3年生で、文法はできているのに長文読解ができないお子様、英単語は正しく読めていますか?