英語に強い子は受験に強い

これまでの私たちの生徒さんを見てきて、確かに、英語ができるお子様は受験で随分有利になるものだ、と感じてきました。英語だけが良い成績で、残りの教科がボロボロであっても、まず、学校の先生の言い方が違ってきます。「お前、英語がここまでできるのだから、他教科も本気でやったらすごく伸びるんじゃないの?」「英語ができるんだから、こんなに全体の偏差値が低いのは勿体ないよ。」

こんな風に先生は、英語ができることを褒めているのか、他教科ができないことをけなしているのか分からないような言い方で子供に接してくれます。するとお子様も何となくその気になり、他教科も頑張るようになります。このように英語が牽引力となり最終的に志望校に合格していくお子様を数多く見てきました。

どうすれば英語に強くなれるか?

一人、忘れられない男子生徒がいます。お父様と幼少の頃に離別し、お母様が女手一つで育ててきた生徒さんです。経済的な理由から塾には行かず、ただ一つ選んだ習い事は私たちと英語を勉強することでした。

ミラクルメソッドで英単語の読み書きを学べば公立中学校の文科省検定教科書が小学生でも読めるようになります。私たちは小学生の子供たちと中学校の教科書を使いながらゲームをしたり、ネイティブ講師と「英語あそび」の中で音読競争をしたりしたものです。

小学生の間に読み書きをしっかりマスターした子供たちは、中学校に入ったら自分の言いたい意見が英語で言え、そして相手が英語で伝えてくる話の内容を「正確」に把握できるように「文法」学習に集中できます。

小学生時代に英単語の読み書きを習得したこの男子生徒も、公立中学校時代、英語を得意科目として過ごし、英語と数学が他教科の配点の2倍になる公立高校を受験しそこに進学しました。

英語が「得意」なお子様にこそ、英語力を伸ばすための投資を

高校時代の彼はクラブに入らず、コンビニでバイトして高校から始めたヒップ・ホップのダンスを習いながら過ごしました。バイドはダンスの費用を賄うためにしていました。高校2年生の夏休みに英語の得意な彼を見て、おばあ様がオーストラリア留学をプレゼントしました。このプログラムはホームステイをしながら地元の私立中学校に生徒の一人として通うという内容で現地の生徒に混じって同じ勉強をするというものでした。1ヶ月間のオーストラリア留学から帰ってきた彼は、突然、英語の模擬試験で高得点を取るようになりました。マーク模試で正答率90%以上、記述模試では偏差値60台半ばをキープするようになりました。

地方の公立高校なので、卒業生のほとんどは地元の国公立大学(旧帝大ではない)、私大、そして名門を狙うお子様は関西の有名私大へと進学します。旧帝大に進学するのは一学年280名中、毎年数名で、早慶は毎年1〜2名です。

彼の第一志望は明治大学・法学部で、英語のお陰で問題なく合格しました。センター試験では発音問題と文法問題の各1問を落とし196点でしたが、もともと私大希望だったので高得点にも関わらず受験には使いませんでした。

英語が得意な子は予想外の道が開ける?

予想外の出来事が起きたのは、力試しで受けた早稲田大学に合格してしまったことです。ただし合格した学部は法学部ではなかったため、本人は当初から希望していた明治大学に進学しようとしました。するとお母様、ご親戚、学校の担任、進路指導の先生などみんながいっせいに口をそろえて、早稲田大学に進学すべきだ、と言い明治大学進学に反対しました。

周囲の大反対に遭いながら、本人も迷いに迷って最終的に決めたのは、明治大学ではなく早稲田大学への進学でした。彼が早稲田大学に決めた理由がおもしろかったのですが、彼曰く、「これだけ迷うということは、早稲田大学に行きたいという気持ちが、ぼくの中にもあるのだと思う。本当に明治大学に行きたいならここまで迷わない筈(はず)だから。」

大学生になった彼と再び話をする機会に恵まれたのは、自慢の英語力に磨きをかけるため1年間の海外留学を計画し、彼が留学のための奨学金制度を探している時でした。高校時代の短期オーストラリア留学がよほど楽しく、また英語学力の飛躍的向上につながったという思いから、自分のスキルをもう一段階磨きたいという結論に至ったようです。もちろんこの留学が就職に有利になるだろうことはここで言うまでもありませんね。

早稲田大学ではヒップ・ホップのダンス部に入り、髪の毛が金髪になっていたのが印象的でした。一目で、満足のいく大学生活を送っていることが分かりました。

「英語」が得意であるということの意味

このように「英語」が得意であるというのは、他教科が得意である場合より少し展開が違ってきます。

まず、有名私立大学を目指す場合、入試が圧倒的に有利になるという点です。慶應大学や早稲田大学の英語の問題は(とくに慶應大学では)難易度が高く、英語がかなり得意なお子様でなければ点数が取れません。逆に言えば他教科は競争試験において差がつきにくくても、英語では大きな得点差をつけることができます。

また、受験時に選べる選択科目では「得点調整」というものがあります。これは教科間の難易度の差から生まれる不公平を正すためのものです。ある教科が「できた」と思っても、蓋を開けてみたら得点調節のために減点され合格に結びつかなかったという例を何度も見てきました。その点、英語は必須科目であることが多く、得点調整の対象外であるため、特に文系の学部の場合“英語ができた=合格”となるケースを数多く見ることができます。

またこのブログで取り上げた生徒さんのように、英語の得意なお子様は、英語を「学校だけ」の勉強にとどまらせず、自分の人生の中にその学習やスキルを組み込み、「楽しみながら」、あるいは「やりがいを感じながら」、生涯にわたり英語学習を続けていくという側面もあります。留学に挑戦してみたり、会社の海外支社に勤務するなど、英語はお子様の人生に入りこみ、お子様の人生をより豊かにするのです。

英語に強い子に育てるにはどうしたら良いのか?

できれば、中学校からは「文法」学習に徹底して取り組めるように、英単語の読み書きの「基礎的な学習」を小学生の間に済ませておくことです。

難しい学習ではありません。「基礎」だけで良いのです。ミラクルメソッドシリーズのうちミラクルメソッド英単語暗記大作戦では、この、英単語のつづり字の「基礎」が楽しく、正しく身につけられるようになっています。

小学生の間、英単語の読み書きの「基礎的な学習」が済んでいれば、英単語に手を取られることなしに、本当の意味で英語の実力が身につく学習に専念できます。言い換えれば、英単語でウロウロしているような勉強法では、英語をスラスラ話したり、読んだり、書いたりするようなレベルの英語力を身につけるまで相当な時間がかかってしまいます。むしろ「英語が苦手」な状況にまっしぐらに落ちこむ危険性が大いにあります。

長文読解、英作文、スピーキングをきちんとできるようになるためには、相応の文法学習が必要です。文法は、一つの事項を学んだら、その上に次の事柄が積み上げていく、そのような性質の学習となっています。ですから、中学校の最初から、各単元を「取りこぼし」なく着実に身につけていく必要があります。

小学生の間に英単語を一部でも読んだり書いたりできるスキルを身につけておけば、中学校以降に、どんなに有利に英語を学んでいけるか、もうお分かりいただけましたね?