お子様を、英語の苦手な大人にしないために
小学生の頃、小学校で習う英語が大好きだった子供達が、英語嫌い、英語が苦手の方向に方向転換していくのは、中学1年生になってからです。
その方向転換のきっかけは、英語の読み書きの学習、すなわち文字と英単語学習になります。
なぜ「文字」が入ってきた途端、あんなに楽しかった英語が楽しくなくなるのでしょうか?
それは英語が得意な大人と苦手な大人を観察してみれば分かります。
英語が得意な大人は積極的に外国人と触れ合おうとします。道に困った外国人がいたら話しかけて教えてあげるし、外国人が集まるバーに行って積極的に話しかけたりします。彼らの英語は、最初はそこまで上手ではないかもしれません。でも着実に上達していきます。そして最終的に英語の得意な大人になっていきます。
それに対して、英語が苦手な人に共通するのが、単語やフレーズ、文法や例文などを「暗記」する学習に時間を費やします。実際に英語で話をする前の段階に努力を注ぐわけです。そしてその後、会話するまでになるかというと、なかなかその段階には至らないのです。理由は単純です。文字を頼りに学習していると、とっさの「声」が出てこないのです。英会話は常にとっさの身体反応である側面があります。言いたい言葉を相手に分かる「発音」でとっさに言う。なぜとっさに言えないのでしょうか?
それは、中学1年生から始まる英語の義務教育で文字を教える時、発音とセットで教えないからです。「えっ?発音の問題は山ほど解かされたよ」と思われる方も多いでしょう。でもその学び方は、実際に外国人を前にして自分の口から出る「発音」には全く役に立っていないのです。
このように日本の英語教育では、あんなに楽しかった英語の学習が、中学に入って文字が出てきた途端、「音」を失ってしまうのです。発音の勉強さえも、問題集の、すなわち紙の上の発音問題に置き換えられてしまうのです。その一方で「リスニング」問題は必ずテストに出るようになりました。だから、音を失った学習をメインに据えて勉強させながら、リスニングはしっかり聞き取りなさい、と言われても、子供達には聞き取れるはずがありません。こうやって子供たちは、英語嫌い、英語苦手へと変わってしまうのです。
英語の得意な大人は、声に出して英語を言うことのできる人たちです。彼らは文字学習と同じくらい、音声を使った英語学習をしてきているのです。自分が発音できる単語は聞き取ることができます。(裏返せば自分が発音できない単語は聞き取るのが難しくなります。)だから、英語の話せる人はリスニングも得意なのです。
この「発音」の訓練は、文字学習とセットで行うのが最も効果的です。そして実は、お子様が英語文字(アルファベット)を初めて学ぶ時から発音を意識してスタートすると将来のお子様の英語嫌い、英語苦手を予防することができるのです。